…………水の音?
皓彗は眼をあける。しかし、そこは薄暗くて周囲がよく見えない。
ドボオォォォォンっ
音が鳴る。何かが水に落ちる音が。
自分が沈んでいる感覚と同時に認識した。
(あの夢か……)
横を見ると見慣れた機械の残骸があった。それにまぎれて動かなくなった人達も……。
それらは次々と底の見えぬ海へと落ちていく。あの奥にはまぎれもなく何かがいる。そう確信していた。
けれど、抗う気力など獅童はとうになかった。このまま自分も一緒に落ちていけばいい、そう思った瞬間、強く何かに引っ張られる。
あの時も経験した何か。
しかし、見えない。
獅童は一気に上へと、輝く光の中へと放り投げられたのだった――