空疎唱歌(くうそしょうか)

あいつは泣いた あいつは言った
俺の所為だと叫んで鳴いた

山茶花(さざんか)笑った 散って笑った
俺のお陰と狂って落ちた

子供が泣いた 大人は言った
お前の所為だと騒いで喚(わめ)いた

雉子(きじ)が喋った 飛んで喋った
お前の為だと子を喰(く)らいて撃たれた

俺は愛(め)でた 抱(いだ)いて捨てた
鼻歌唄った 誰も聞かなかった
暗くなった 見えず落ちた
誰の所為かと誰かに問いた 誰もいなかった

 

闇が語った 囁(ささや)いて誘(さそ)った
俺の願いだと嘯(うそぶ)いて攫(さら)った

俺は笑って啼(な)いた そしたら溶けて消えた

 

突然、頭の中で流れた詞。
空疎(形だけで内容が乏しいこと)な歌
2011/5/31

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