しているとは言う しかしは……

君は笑顔で「愛している」と言う
僕は君の眩しい言葉をどう受け止めればいいのだろう
僕は大きな暗闇がある
君の言葉はその中に入っていく
そして暗く染まっていくんだ
君の言葉は

 

ねぇ…
君はなにを見ているの?
なにを知っているの?
僕は君の背中ばかりを見ている……

 

君は輝いている
暗闇を照らす光を持っている
けれど 君といるのに 僕の暗闇は光をささない

 

もっと僕だけを見て
僕だけの太陽になって
僕はなにもない
なにもわからないんだ
君がいなければ……。

 

 

僕を愛していると言ってくれた君は 寂しそうに笑う
「君と僕は違う。だから君だけのものにはなれない
 でもね、一緒に同じ世界を生きていけるんだ。
 君になにもないなんてない」
手を差し伸べる君
僕は躊躇う
君は微笑む
僕が手を握るのを待っている いつまでも
僕は 恐る恐る 君の手に重ねた
君は力強く手を引いて
また
「愛してる」
と言った

 

その言葉は僕にはわからない
君の声なのに

 

君はどうしてそんなに強いの?
君はなぜ笑顔でいられるの?

 

君が一人泣く姿を見つけた時
僕は君の暗闇を知った
けれど
君の暗闇は 暗闇ではない
温かな小さな光が灯っていた
夜空みたいだ

 

町の中から見る夜空ではなく
深い深い 森の奥で見上げた
空なんだって

 

いくつもいくつも集まって
君の暗闇を包んでいる
君の想い一つで
輝き放つそれを
僕の暗闇にわけてくれる

 

 

 

けれど
未だに 光は 灯らない

 

 

 

……それが
答えなのかもしれない
(高校生の時に書いたのを直したもの)
2013/3/10

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