諷憶(そえおく)

手紙をくれた
私の花を
あなたは覚えていますか?

飴をくれた
虹色のあなたを
私は覚えています

バケツ色に
色づいた
畑は
右も視ずに
たたずんで
あなたを見つめています

追いかけては
逃げる
小さな影は
私を
追い込みました

どこから
来たのか
あなたは
すぐに
消えた

それでも
鮮明に
残っているのは
あなたの
小さな
啼き声だった

 

いつまでも
覚えておきたい

あなたは
忘れていても
いつか
出会えたら
この不思議なひとときを
思い出しましょうね

それまでは
さようなら

 

思い出と別れはいつか来るもの。
再び会えることに胸を躍らせれるのは、ずっとできること。
タイトルは諷(人の心を動かす歌)を憶(心に留めておく) という意味
2011/10/06

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