031 <起源>
光が逃げる その音に 静かな涙が 泡を呼ぶ 流れた先の 暗闇に 纔かな命が 芽を結ぶ
2013/4/22
032 <永遠は土とともに>
君が墓場に入って喜んでいる僕がいる 朽ちた君を掘り出して 隣で横たわる僕がいる 綺麗な白い肌に 何もない黒い目玉を見つめる君を とても愛おしいと感じる僕がいる 朽ちても消えない 君らしさに そんな風に朽ちていきたい僕がいた 「イマイクヨ……」
2013/6/10
033 <零れる>
夢が零れた 零れて 拾う また 零れた 涙が溢れた 拾う涙は 夢となった 何度も 涙が零れる 夢が溢れては 零れていくんだ…
2014/1/13
034 <価値観が違う?>
綺麗なままで死にたいわ…… その言葉を頭の中で反芻する。俺は彼女をぶん殴り、首を絞める。狂気にのたうち回り、何度か痙攣し彼女は動かなくなる。そんな場面を思い浮かべ彼女の悲痛の顔を想像し綺麗だと思った。しかしおそらく彼女はそんな俺を嫌悪するだろう。どんな姿も綺麗に思う俺を
2014/2/24
035 <とくとく>
とくとく とくとく せいては とくとく あしあとのこして とくとく とくとく あそこをめざして とくとく はやがね とくとく とくとく いつまで とくとく しぬまで とくとく
2014/9/12
とくとく とくとく 鼓動は鳴るよ。
036 <海の言霊>
海の言霊 聞こえているよ 現の狭間の 煌めき きらきら 深淵の 揺らめき くらくら 堕ちる かえして 泡打つ 僕の言霊 ゆらゆら 漂い はじけて 届く 夢の狭間に 招かれ 頷く ひとつの 想いが 溶けて 混ざる 残るは 海の言霊 流され 逝く どこまでも
2014/9/13
何処までいっても海は海。
037 <惑う>
まどふ 是といふ言霊欲しさ まどふ ゆひひつという言霊欲しさに… まどふ 道無き道えの暗闇に まどふ 悪と問へるわ正義かと… まどふ 我の足場わ何処かに… まどふ 安らぎわ何処かと… まどふ は まどへ 混沌たる幸へと 希わくわ まどふ の 終 が 足場で枯れよ
2015/2/22
038 <甘い心臓>
一口齧ると 甘い苺のように 白と交わり ほんのり紅色へ ドキドキドキドキ 鼓動が跳ねるたびに 貴方の果実を齧っていく 滴る雫が 色を失くし 私の腕へ落ちてくる 優しく包み込みながら もう一口 貴方のハートを齧っていくの
2015/12/10
039 <欠けた影>
水面に落ちた小さな影 二つに割れて 片方沈んだ 残る片方水面を揺らす ゆらゆら ゆらゆら 戻ることのない片割れにここだと揺らす ゆらゆら ゆらゆら 永遠と 半分になっても さまよい続けている
2020/4/25
040 <徒に耽る>
たゆたゆ ふわふわ コロコロと なぁんにも思い浮かばない この思考 たゆたゆ ふわふわ コロコロ それでもこのひと時は 心地いい たゆたゆ ふわふわ コロコロ コロコロ
2020/4/25