Death Murder  〜Side Story〜

〜久遠の懺悔〜  |1p

 

 ――どうして……?
 ――どうして僕は、産まれたのかな?

 倉の中央で倒れている少年を、取り囲んでいるのは大人達。
「さぁ、飲むんだ!」
 口々に叫ぶ。
 しかし、少年は絶対に口を開かなかった。
 無理矢理開こうとすると、暴れ、逃げ、捕まえての繰り返し。
 この数週間、そんな押し問答が続いていた。

「エルベリト。なぜなんじゃ……」
 輪の中で一番年老いた者が、中央の少年、エルベリトに問いた。
 しかし彼は祖父にあたる、長老の問いでさえ答えない。

 ただ、心の中で呟いた。

 ――これは、食べ物じゃない、と……。

 そんな数百年前のお話。

 

 

2pに続く
本編を読む  戻る  次へ
copyright(c)2010- Tukuru Saima All right reserved.since2010/2/5